犬が食事を食べない!そんなときどうする?
愛犬の食欲がないと、体調を崩しているのではないかと心配ですよね。 いつもなら喜んで完食するフードに見向きもせず、食べないときには、日頃と違う様子がないか観察しましょう。
<チェックリスト>
- 水は飲んでいるか
- 排泄はできているか
- 嘔吐や下痢などがみられるか
- おやつなど、フード以外のものは食べられるか
- 食欲不振がどれくらい続いているか
- 最近、環境が変わったか
- 運動は足りているか
明らかに元気がない様子がみられるといった場合には病気の可能性もありますので、不安を感じたら獣医師に相談しましょう。
食欲不振の原因と対処法
食欲不振の原因によって、対処法は異なります。愛犬の様子をよく観察し、適切に対応することが大切です
病気
口腔・内臓・呼吸器・消火器に関する疾患や寄生虫による感染症など、食欲不振を引き起こす疾患は数多くあります。フードを食べないだけでなく、水も飲まずにぐったりとしていて元気がないなど、いつもと違った様子がみられる場合はなんらかの不調を抱えていると考えられます。 自分で判断せずに、速やかに獣医師を受診してください。
また、定期的に健康診断を受けることが病気の早期発見につながることもあります。
目安として、成犬であれば1年に1回、シニア犬であれば6ヶ月に1回のペースで健康診断を受けることをおすすめします。
ストレス
人間と同様に犬も環境の変化や身体的な負担を感じると、ストレスにつながり、ごはんを食べなくなる場合があります。主なストレスの原因となるものは、以下に挙げられます。思い当たることがあれば、対処法を実践してみてくださいね。
<ストレスの原因(一例)>
- コミュニケーション不足
- 環境の変化(引っ越し、同居のペットが増えた、など)
- 新しい刺激を多く受けた(旅行や遠方への外出、来客、など)
- 飼い主と離れた(ペットホテル、病院、トリミング、など)
- 運動不足
<ストレス対処法>
- コミュニケーション不足
コミュニケーションが不足すると、犬は寂しさからストレスを感じるようになります。
一緒に遊ぶ時間を増やす・留守番の時間を短くする・話しかけ、タッチケア(やさしく触れる)の時間を持つなどの対処法がおすすめです。
- 環境の変化
引っ越し、同居ペットが増えた、などの環境の変化は犬にとって大きな負担となります。慣れ親しんだお気に入りのグッズを身近に置いて愛犬がリラックスできる場所を確保することが大切です。
- 新しい刺激を多く受けた
旅行や来客は刺激が多いものです。しばらく遠方や人の多い場所への外出、来客は控え、飼い主が寄り添い、安心できる時間を過ごしてあげましょう。
- 飼い主と離れた
ペットホテルや病院、トリミングサロンなどは、慣れていない犬にとって不安でたまりません。分離から起こる不安を長引かせないよう、帰宅後はたくさん褒めて、一緒に過ごすことで安心感を与えるようにしてあげましょう。
※預ける際には飼い主のにおいがついたタオルや服、お気に入りのおもちゃなどを持たせ、存在を感じられるようにしてくださいね。
- 運動不足
適度な運動で自然に空腹を感じるような生活を整えてあげましょう。いつものお散歩コースのマンネリ化を防ぎ、日によってルートを変えてみる・脳を使う知育遊びなどを取り入れる・ドッグランを利用して思いっきり駆け回る機会をつくるなどがおすすめです。
老化
加齢とともに徐々に食欲が細くなるのは自然なことなので、急激な変化がなければさほど心配する必要はありません。体重の減少や栄養不足が気になる場合は、食事の与え方をひと工夫したり、フードを見直したりといった以下の対処法がおすすめです。
- フードの香りが引き立つようにあたためる
- ドライフードにぬるま湯を注ぎ、ふやかしてから与える
- 食感がやわらかいソフトタイプのドライフードやウェットフードを取り入れる
- 少量でもしっかりと栄養が摂れるフードに切り替える
- 食事の時間をずらす
- お皿の位置(高さ)を見直す
フード
「フード難民」という言葉があるほど、愛犬に適したフード選びは案外難しいものです。粒のサイズや硬さ、風味などが好みに合わない場合、食欲不振につながることがあります。試供品などをうまく活用しながら、愛犬のお口に合ったサイズの粒や硬さ、好みの味を探ってみましょう。
犬は警戒心が強く、初めてのフードはあまり食べたがりません。切り替える際には前に与えていたフードに少しずつ混ぜながら10日ほどかけて徐々に切り替えるようにしてください。
また、これまでおいしそうに食べていたフードをある日突然食べなくなることもあります。おやつや手作り食なら食べる、という場合にはこれまでのフードを食べ飽きしている可能性がありますので、あたためて香り立ちを良くする、少量のトッピングで食欲をそそる、フードとだしパックを一緒に保存して香りをほんのりと移す、などの対処法をおすすめします。
夏バテ・熱中症
室温や湿度が適切でない場合、夏バテになり、食欲不振になるケースがあります。とくに寒い地域原産の犬(ダブルコードなど)や短頭種(頭蓋骨の長さに比べて鼻の長さが極端に短い犬種)、肥満気味な犬や老犬の場合は、暑さに弱いとされています。
個体差はありますが、20度前後の室温・40〜50%の湿度が快適な環境となります。
夏バテといっても、注意する時期は気温が上がり始める5月頃~10月頃と長期にわたります。温度・湿度を確認しながらエアコンや扇風機などを活用し、快適な環境を整えましょう。
まとめ
愛犬の食欲不振はさまざまな原因から起こります。普段から好き嫌いが多い子や、食の細い子などは食欲が落ちていることにも気づきにくく、不調を見逃してしまうかもしれません。
食欲不振に加えていつもと違う様子がないかをよく観察し、獣医師の判断を仰ぐようにしましょう。
日頃から愛犬とのコミュニケーションを意識し、こまめな体調チェックを欠かさないようにしてくださいね。