Beauty Journal【ビューティージャーナル】

猫が吐くときの原因は?注意すべき点や対処法を解説

猫の吐き戻し

嘔吐とは、口から取り入れた食べ物が胃や小腸から逆流して吐き出される症状です。 一方で「吐く」とは、食べ物が胃に入らず、食道から逆流して口から吐き出される症状を指します。 猫は吐くことが多い動物ですが、吐く頻度が増えたり、食欲不振や下痢、発熱などが起こったりすると症状がどんどん悪化するケースがあります。 本記事で猫が吐くときの原因や対処法を知り、適切に対応していきましょう。

猫が吐いたときにチェックすべきこと

猫が吐いたときに、動物病院を受診すべきか迷った場合は、以下の内容をチェックしましょう。

  • タイミング
  • 頻度や回数
  • 吐いたもの

猫が吐くタイミング・頻度・吐いたものによっては緊急度が高いケースがあり、放置すると重篤な状態に発展するおそれがあります。
猫の健康状態が損なわれないよう、注意深く観察し、必要に応じて動物病院を受診しましょう。

タイミング

猫が朝や食前に胃液を吐くのみで、他に症状がない場合は緊急性が低いと考えられるため、自宅で様子を見ても問題ありません。
また、食べ物を早食いした直後に吐き、その後は元気な様子でいる場合もとくに問題はないでしょう。
一方で、食べ終わって数時間後排せつ時に吐く場合は体に異常があるおそれがありますので動物病院を受診しましょう。

頻度や回数

猫が1日に何回吐いているか連日吐き続けているかを確認しておきましょう。
1日に2~3回連続して吐くのは問題ありませんが、吐いた後に元気がなく、食欲がない様子がみられる場合は要注意です。
また、1日に4回以上吐いたり、3日以上連続して吐き続けたりする場合は誤飲・誤食・消化器系疾患などのおそれがあります。
また、吐いていない状態で何度もえずく場合も含め、緊急度が高いと考えられます。

吐いたもの

猫が吐いたものとして、毛玉が混じっている場合は問題ありません。また、食べたものをそのまま吐いている吐き戻しの場合は、食べ過ぎや早食いが原因で空気を飲み込んでいる可能性があります。
この場合も、何度も続かないのであれば緊急性は低いため、動物病院への受診は必要ないでしょう。
一方で、吐いたものに異物が混在している場合は緊急度が高い可能性があるため、注意深く確認する必要があります。
とくに、白くて細長いヒモ状の形をしたものが混じっている場合は寄生虫のおそれがあるため、動物病院への受診が必要です。
放置すると、下痢や体重減少を引き起こしたり飼い主に感染したりするケースがあります。

猫が吐く原因とその対処法

猫の毛づくろい

猫が吐くときは、以下の原因が考えられます。

  • 毛を飲み込んだ
  • 胃の運動量の低下
  • ストレス
  • 早食い
  • 病気

病気の場合は、動物病院を受診して治療する必要があります。一方で、病気以外が原因の場合は、ブラッシングの仕方やフード、環境を工夫することで改善できるケースもあるでしょう。

毛を飲み込んだ

猫は舌で体を舐めてグルーミング(毛づくろい)をするため、知らないうちに毛を飲み込んでいます。
そのため、胃の中に溜まった毛が毛玉となって吐き出されることがあります。
健康な猫の場合、時々毛玉を吐きますが、毛が長い場合生え変わるタイミングのときは吐く回数が増えるでしょう。
対処法としては、こまめなブラッシングや、毛玉の排出に配慮したフードへの切り替えといった方法が挙げられます。

胃の運動量の低下

猫が繰り返し吐き、食欲がない状態が続く場合は胃の運動能力低下も原因の一つとして考えられます。
もし、腸炎になっている場合は整腸剤や抗生物質などを利用する必要があります。また、胃潰瘍にかかっている場合は胃粘膜保護薬や制酸薬を使用するケースもあります。
他の疾患も併発しているおそれがあるため、このような症状が見られる場合は速やかに動物病院を受診してください。

ストレス

猫はストレスに敏感な動物なので、少しの環境の変化でストレスを感じる場合があります。
ストレスを感じると、胃酸が過剰に分泌され、逆流して吐くことにつながります。
家に他の動物が増えたり、引っ越しなど環境の変化があるとストレスを感じることがあります。猫にストレスを与えないよう、安心して落ち着ける環境づくりが大切です。

早食い

猫はお気に入りのフードが出てくると早食いをしてしまい、食べ物と空気が胃を圧迫して吐いてしまうこともあります。
対策として、一度に与えるフードの量を減らして食事回数を増やす早食い防止用の食器に変える、などの工夫が必要です。また、たっぷりの水分を一緒に摂れるようウェットフードを取り入れてみるのもおすすめです。
猫はまれに空腹の時間が長くなり胃の中が空っぽになると嘔吐することがあります。そんな愛猫には食事の間に少量のおやつを挟みながら、空腹感を紛らわすという方法もあります。

病気

体調不良が原因で吐く場合、以下のいずれかの病気が関係している可能性があります。

  • 膵炎(すいえん)
  • 腸閉塞(ちょうへいそく)
  • 毛球症
  • 熱中症
  • 肝機能不全
  • 腎機能不全
  • 感染症腸疾患
  • 炎症性腸疾患

吐くことに加え、下痢や黄疸(皮膚や目の白い部分が黄色くなる症状)、腫瘍などができた場合は、速やかに動物病院で検査してください。

猫が吐くことを予防する方法

猫のブラッシング

猫が日常的に吐くことを予防する方法として、以下が挙げられます。

  • フード選び
  • ブラッシングの徹底
  • ストレスケア

病気による嘔吐や吐き戻しを予防することは難しいとされています。
一方で、毛玉ケアにつながるフード選びやブラッシング、ストレスケアによって日常的に猫が吐くのを防止することも可能です。

フード選び

毛玉を吐くことが気になるときは、毛玉排出に配慮したフードを選ぶことをおすすめします。食物繊維を多く含むことで便通や腸内の環境維持に配慮されており、毛玉を吐き出す回数が軽減することを目的としたフード設計となっています。
また、胃腸に溜まった毛玉をケアするサプリメントなども販売されているので、愛猫に合った方法を探りましょう。
猫にフードやサプリメントを与えるタイミングについては、空腹の時間を空けないように、回数や時間を調整することが大切です。

ブラッシングの徹底

猫はグルーミングによって毛を飲み込むことで吐いてしまうケースがあるため、ブラッシングを徹底することが大切です。
毛が長い猫の場合は1日2回、毛が短い猫の場合は週に3回程度を目安にブラッシングしてあげましょう。 とくに、換毛期である3月と11月はこまめにブラッシングすることをおすすめします。

ストレスケア

猫は敏感な生き物なので、少しの環境の変化でストレスを感じ、体調を崩す場合があります。
対策として、猫が落ち着けるような環境(おもちゃや爪とぎを与える・ベッドやトイレの場所をしっかり確保する)が大切です。
また、栄養バランスのとれたフードやおやつを与えることも必要になります。

動物病院を受診した方が良い場合

以下のケースの場合、日々のケアだけでは改善ができないため、動物病院を受診する必要があるでしょう。

  • 毛玉を頻繁に吐く
  • 茶色の液体を吐く
  • ピンク色の液体を吐く
  • 元気がなく、食欲もない

猫が毛玉を頻繁に吐いたり、茶色やピンク色の液体を吐いたりする場合は、何らかの病気にかかっているおそれがあるため、この項で詳しく解説していきます。
放置すると、重篤な症状に発展する可能性があるため、該当する場合は速やかに動物病院で検査・治療を受けましょう。

毛玉を頻繁に吐く

1週間のうちに何度も毛玉を吐く場合、毛球症のおそれがあるため、動物病院を受診することをおすすめします。
毛球症とは、飲み込んだ毛が排出されずに胃や腸の中で大きな球状になる状態です。放置すると、腸閉塞につながるおそれがあるため、外科手術が必要になるケースがあります。
ブラッシングや食事管理を徹底しても毛玉を原因とする嘔吐が改善されない場合は、動物病院を受診してください。

茶色の液体を吐く

フードが消化されていない場合、茶色の液体やペースト状の嘔吐物として吐き出すケースがあります。吐いた後に元気に過ごせていれば問題ありませんが、血液が混じることで茶色になっている場合は注意が必要です。
胃や腸などの消化管が出血したり炎症を起こしたりしているケースがあるため、速やかに動物病院を受診しましょう。

ピンク色の液体を吐く

ピンク色の液体を吐く場合、食道や口内、胃や腸から出血しているおそれがあり、出血性胃腸炎や十二指腸炎のリスクがあります。
また、鼻からもピンク色の液体が出る場合は、心臓性肺水腫(心臓病が原因で血液循環が悪化して気道などに水分が漏れる状態)の可能性もあるため、速やかに早期治療をおこないましょう。

まとめ

猫が吐くときの原因には、猫がおこなうグルーミングや胃の不調、ストレスやフードの問題などが関係しています。
また、感染症や胃腸炎などにかかることで吐くケースもあります。対策として、ブラッシングをしたり、空腹やストレスが続かないように環境を整えたりすることが大切です。

上記のような対策をおこなっても改善が見込めない場合は、動物病院の受診を検討しましょう。

あわせて読みたい

記事をすべて見る >

カテゴリー

商品を探す