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猫のダイエットを進めるポイント
愛猫の体型や体重が気になったら、まずは獣医師に相談することがおすすめです。年齢や持病の有無によってはダイエットが健康を損なうこともあります。
なお、ダイエットを始める際は以下のポイントを押さえ、無理なく進めましょう。
- 猫の肥満度を確認する
- 無理なくゆっくりダイエットを進める
- ダイエット成功後も健康維持を継続する
ただし、高齢の猫にはあまりダイエットをおすすめできません。
高齢になると体重減少によるリスクが考えられ、関節炎も増えるため、若い頃から肥満にならないように予防することが大切です。
猫の肥満度を確認する
「そもそもうちの子ってダイエットが必要なの?」と思ったら、以下のボディコンディションスコアで肥満度を確認し、痩せる必要性があるかを確認してみましょう。
出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン~犬・猫の健康を守るために~」
BCS4(やや肥満)からBCS5(肥満)の場合は、健康維持のためのダイエットをする必要があると判断できます。
一方で、BCS3(理想的)の状態であれば、ダイエットする必要はありません。
反対に、BCS1(痩せ)・BCS2(やや痩せ)の場合には、必要な栄養が足りていない可能性もありますので、獣医師の判断を仰ぎましょう。
以下の猫種・年齢・時期(避妊去勢後や季節など)・性別は太りやすいとされているため、体重管理を徹底しておきましょう。
- 猫種・・・アメリカンショートヘア・ノルウェージャンフォレストキャットなど
- 性別・・・オスのほうが太りやすい
- 年齢・・・活動レベルが低下する5~10歳頃
- 時期・・・避妊去勢手術を受けたあとは体重が増加する傾向がある
無理なくゆっくりダイエットを進める
猫は繊細な動物のため、急にフードの量を減らしたりフード自体を変えたりすると大きなストレスとなります。フードの切り替えによるダイエットの場合は、体に負担がかからないよう1週間程度で徐々に移行することが理想的です。
猫にとって無理なダイエットは、肝臓の病気を引き起こすことがあります。長期間かけてじっくりと取り組むことが基本となります。
ダイエット成功後も健康を維持する
猫は加齢とともに太りやすくなります。ダイエットで目標達成したあとも継続的にケアを行い、週に一度は体重管理を徹底していくことをおすすめします。
また、猫の体重は生活環境だけでなく体調によっても少しずつ変動するため、年に1回は健康診断を受診しておきましょう。
猫のダイエットにおすすめの方法(食事編)
人間と同様、猫のダイエットに大切なのは「食事」と「運動」です。ここではまず食事に関する工夫について解説します。
- 猫のフードの適正量を把握する
- ダイエット用のフードに切り替える
- フードを数回に分けて与える
- おやつの内容や分量を工夫する
- 多頭飼いしている場合はフードを分ける
猫に負担がかからないよう、適正量を考慮しながらフードを数回に分けて与えていきましょう。
フードの適切な給与量を把握する
フードの適切な給与量はキャットフードのパッケージに記載されており、年齢・体重別の給与量の目安が記されているため必ず確認しましょう。
給与量の通りに食事を与えているのに太ってしまう、という場合は愛猫にとって適正量ではない可能性も。様子を見ながら愛猫にとっての食事の適正量を把握することが大切です。
食事量を調整する際は、必ずキッチンスケールで計測し、推奨された量のフードを愛猫に与えるようにしましょう。 正しい給与量を習慣化させることで、愛猫の適正な体重を維持し、追加の食べ物をせがんだり鳴き続けたりするのを回避するのに役立ちます。
ダイエット用のフードに切り替える
ダイエットを進める上で、いつもの食事を見直すことはとても大切です。脂質や脂肪分、代謝エネルギーに配慮したフードに切り替えることもおすすめです。
ダイエットフードは、カロリーと脂肪分が低減されていて、食物繊維がバランスよく配合されているものがおすすめです。空腹感を与えずに適正体重を健康的に維持することがポイントになります。
本格的にダイエットしたい場合は減量タイプ(ダイエット用)、現状の体重を維持したい場合は低脂肪タイプのフードを選ぶことをおすすめします。
また、カロリーが低いにもかかわらず、水分によって満足感が得られやすいウェットフードを選ぶのもおすすめです。
缶詰やレトルトパウチなどのウェットフードはドライフードと比べるとカロリーが控え目で、かつ水分量が多く含まれ、満足感も得られやすいという特徴があります。必要な栄養素が不足しないよう、給与量に気をつけながらうまく取り入れてみてくださいね。
食事制限をして体重が減ると筋肉から減少していくため、タンパク質不足にならないように栄養管理には注意しましょう。
フードを数回に分けて与える
空腹時間が長くなると余計に一気に食べてしまったり、消化器官に負担がかかったりするため、フードを数回に分けて与えることをおすすめします。細かく分けることで空腹を感じにくくなり、ダイエットのストレスを軽減しやすくなります。
フードを与える際は、朝・昼・夜・寝る前など、できる限り小分けにして与えるとよいでしょう。
万が一、留守にする際は、自動給餌器などを活用して1日の適正な給与量を維持してあげることをおすすめします。
おやつの内容や分量を工夫する
猫は、1日に取るべき摂取カロリーが少ないため、おやつによって1日に摂取すべきカロリーを超えてしまう場合があります。
基本的に、肥満の対策として効果的なのは消費カロリーよりも摂取カロリーを抑えることです。
目安として、1日に必要な摂取カロリーの10〜20%を意識しておやつの分量や内容を考慮していきましょう。
多頭飼いしている場合はフードを分ける
多頭飼いをしている場合、他の猫のフードを横取りして必要以上に食べてしまい、肥満につながるケースがあります。
そんな時には、以下の対策がおすすめです。
- 簡易的な仕切りなどを利用して食事の場所を分ける
- 食事を与える部屋を別にする
- 他の猫が食べ残したフードはすぐに片付ける
- 早食い防止の工夫
他にも、食事の時間を分けるなどの工夫も効果的です。愛猫の年齢と体重に適した給与量をしっかりと守って食事管理をしてあげましょう。
猫のダイエットにおすすめの方法(運動編)
猫のダイエットをする際は、効果的な運動を取り入れて体重減少を図りましょう。
犬と違い、あまり散歩の習慣がない猫にダイエット目的の運動をさせることは容易ではありません。
日頃の生活の中で自然に体を動かせる環境作りが大切です。
<ポイント>
- キャットタワーを活用する
- おもちゃを活用する
- 短時間の遊びを1日に複数回行う
猫の特性を理解し、一緒に楽しみながら遊んであげると継続しやすいです。
キャットタワーを活用する
キャットタワーを上り下りすると、運動量を増やすことができ、肥満解消につながります。猫のリラックススペースにもなりますので、運動嫌いの猫におすすめです。
設置して最初のうちは登ってくれないことがあるかもしれませんが、おやつを使って徐々に慣れさせましょう。体重が減少するにつれて少しずつ使ってくれるようになります。
また、キャットタワーの配置で高低差をつけて猫の歩く道を作り、猫が自然に運動できるよう工夫することも大切です。
おもちゃを活用する
ストレス解消としても効果的なおもちゃを活用してコミュニケーションをとりながら遊ぶようにしましょう。とくに猫の狩猟本能を引き出すおもちゃを使うといい運動になって効果的です。
<猫の狩猟本能を引き出すおもちゃ>
- 猫じゃらし
- 猫の好むにおいをつけたおもちゃ
- 「シャカシャカ」「ガサガサ」と音が出るもの
- レーザーポインター(猫用)
短時間の運動を1日に複数回行う
猫は飽きっぽい性格の動物です。たとえ好きなおもちゃの遊びであっても、熱中する時間は1回10~15分程度でしょう。
そのため、短時間の遊びを複数回に分けながら1日の消費カロリーを上げていくことをおすすめします。
まとめ
猫のダイエットは、まず健康状態を知ることから始まります。ボディコンディションスコアで体型チェックをしたら、獣医師に相談して、愛猫の体に負担の少ないダイエットプランを考えましょう。
大切なのは、無理なく長期間じっくりと取り組むことです。飼い主さんにとってもストレスにならない方法で、大切な愛猫の健康を維持してくださいね。