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猫の下部尿路疾患はなぜ起こる?大切な愛猫を守るためにできること

猫がかかりやすい病気としては、膀胱炎などの下部尿路疾患がよく知られています。シニア猫になってくると若齢の頃よりも免疫力が落ちてくるため、とくに病気にかかりやすいといわれています。今回は、下部尿路疾患とはいったいどのような病気なのか、そして大事な愛猫が下部尿路疾患にかからないためにできる対策や予防はあるのかを解説します。

猫に多い下部尿路疾患とは?

下部尿路疾患のなかでも、とくに多いのは膀胱炎と尿路結石症(ストルバイト結石、シュウ酸カルシウム結石)です。

膀胱炎は下部尿路疾患で最も多い病気で、血尿や頻尿、粗相をしてしまうなどの症状がみられます。見過ごすと腎不全や尿毒症などのリスクが高くなるので、猫の異変を注意深く確認し迅速に適切な治療を行ってください。

ストルバイト結石は猫のおしっこのpHがアルカリ性になることでリンやマグネシウムが結晶化し、尿路結石症を引き起こす原因となる結石です。結石が尿道につまったり傷つけたりすることで強い痛みを伴い、排尿が困難な状態に陥る可能性があります。また、シニア期より成猫期、メスより尿道が細いオスの方がかかりやすいといわれています。

シュウ酸カルシウム結石は比較的シニア猫がかかりやすいといわれています。
おしっこのpHが酸性になることで、腎臓や膀胱、尿管、尿道にシュウ酸カルシウムが結晶化し、結石が形成される病気です。目立った症状がないため見過ごされがちですが、結石が大きくなってしまうと腎不全を起こす危険性があります。

下部尿路疾患の症状とは

猫が下部尿路疾患を患うと、尿が少し溜まっただけでも尿意を感じます。初期症状として「いつもよりトイレの回数が多いな」と感じたら獣医さんに相談してみるのがよいでしょう。頻繁にトイレに行く割におしっこが少ししか出ないというのも下部尿路疾患の特徴です。

下部尿路疾患が進行するとどうなる?

下部尿路疾患の症状が進行すると尿が濁る・血が混ざることがあります。ひどい状態になると血尿が出るケースも。さらに進行が進むと尿が出なくなるという危険な事態を引き起こしてしまうため、愛猫のおしっこサインを見逃さないようにしましょう。

気づかずに放置してしまったら危険

「年をとったからトイレの回数が増えたのかな」「ちょっと落ち着きがないけれど、たいしたことないだろう」と、愛猫の異変に気づかずに放置していた場合、症状は進行し取り返しのつかない事態に陥ってしまいます。

下部尿路疾患にならないための対策

愛猫を下部尿路疾患から守るための対策は、パートナーである家族が気を配り、しっかりと予防をしてあげることが重要です。愛猫が頼れる存在は家族しかありません。十分に注意してあげましょう。

愛猫の食生活を見直す

愛猫が下部尿路疾患にならないようにするために一番大事なことは、水分補給です。
たっぷりの水を飲ませることはもちろん、ドライフードと一緒に水分を摂るように工夫したり、ウェットフードをうまく取り入れたりするなどの配慮が必要です。また、肥満気味の猫は下部尿路疾患にかかりやすいといわれていますので、体型管理も心がけることが大切です。

キャットフードで下部尿路疾患を予防

下部尿路疾患を予防するためには、ミネラルや尿のPHを調整しているフードを選ぶことがおすすめです。

〈目安〉
マグネシウム含有量…0.08%前後(標準値)
尿pH値…6.2~6.4(設計値)

カロリーや脂質の高いフードは肥満につながり、下部尿路疾患のリスクが高まることがありますので、ご注意ください。

ストレスケアと免疫力の関係

免疫力が落ちると下部尿路疾患だけでなく、様々な病気にかかりやすくなります。そこでポイントになるのがストレスケアです。ストレスが溜まりにくい環境を用意することは、免疫力の維持につながります。
例えば、猫はトイレの環境に満足しないと排尿を我慢してしまうほどデリケートなので、清潔なトイレを整えてあげるなど、快適な環境づくりを心がけましょう。
また、運動不足もストレスの要因の一つです。愛猫の年齢や性格に合わせ、お気に入りのおもちゃやキャットタワーなどで日常的に運動ができる工夫をしてあげましょう。

愛猫が下部尿路疾患になった場合の対処法

猫が下部尿路疾患を患うと、尿道に結石が詰まることにより排尿が困難になってしまいます。それにより尿道閉塞が起こり最悪の場合、1日以上排尿ができないと尿毒症になることもあります。これから対処法を紹介します。

動物病院の早期受診

愛猫が下部尿路疾患のような症状が見られる場合、自分でなんとかしようとせず、まずは動物病院を受診しましょう。早期の対応が症状の改善につながります。

愛猫の変化を毎日確認する

愛猫を下部尿路疾患から守るためには、日々様子を確認することが大切です。とくに、おしっこ濃度の高さは下部尿路疾患の原因の1つといわれているため、おしっこのチェックは欠かせません。量・色・においなどをこまめに記録しておきましょう。

おしっこ濃度は水分の摂取量でコントロールができるため、以下のコツを参考に愛猫がたくさん水を飲める工夫をしてみてください。

<水を飲ませるコツ>
愛猫の頭数+1個の水飲み場を設ける
・自動給水器を活用し、いつも新鮮な水を飲めるようにする
・冷たい水を好まない子にはぬるま湯を与える(味がまろやかになることも)
・魚介のだしなど、風味をプラスする

まとめ

大切な愛猫といつまでも長く過ごすためには、パートナーである家族の支えが必要不可欠です。これからも幸せな毎日を送ることができるよう、愛猫の小さなサインを見逃さないようにしましょう。

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